RPAとAIの違いとは?RPAとAIの連携方法を解説

12/04/2021

RPAとAIの定義

まずはじめに、RPAとAIとは何なのか、その定義をご紹介します。それぞれ混同して認識している人も多いため、RPAとAIのきちんとした定義を把握しておきましょう。

RPAの定義

RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、業務効率に特化したひとつのツールとして定義されます。今のところ、業務における判断基準やルール作りは人間が定める必要があり、RPAが能動的に判断することはありません。業務内容を覚えさせ、それを自動的に繰り返すのがRPAの基本的な仕組みのため、定例的なルーティンワークに適しています。また、業務内容を覚えさせるためには専門的なプログラミングの知識も必要ないため、業務部門ごとに独自で導入、運用することも十分可能でしょう。

AIの定義

AIは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で、「人工知能」の名称でもおなじみですね。ビッグデータとよばれる膨大なデータベースをもとに、コンピュータが自ら判断する仕組みです。AIはAI単体で何かをするのではなく、他のシステムやデバイスの中に組み込むことで応用するケースがほとんどです。人工知能の名の通り、人間の頭脳のように判断することが得意であり、AIそのものに何らかの仕事をさせるというケースはほとんどありません。

RPAとAIの違い

RPAとAIは同じ、または似たものであるという印象を抱く方もいらっしゃるのではないのでしょうか。ここでは、RPAとAIの違いを簡単にご紹介します。

①価格帯の違い

RPAはAIに比べると安価で導入できます。RPAの中には無料で利用できる製品もあるため、費用を抑えて業務自動化できることもメリットです。
AIは高価な製品が多く、開発段階でも億単位の金額を必要とする場合があります。

②判断軸の有無

RPAは単純作業といった定型業務の自動化が中心です。
RPAはルールベースで業務を自動化します。人間により設定されたプロセスルールを守り、ひたすら作業を繰り返すだけです。そのため一定のルールに基づいた反復作業など、「定型業務の自動化」を可能にします。

一方でAIは学習するうちに記録していくため、自律した判断軸を持つようになります。過去の作業記録を積み重ねていくうちに精度が高まります。そのためAIは定型業務だけではなく、非定型業務も自動化することが可能です。

例えば、RPAは判断軸を持ち合わせていないので、場面に応じた画像解析や言語処理ができません。
一方でAIは自らが学習し、最適な判断ルールを構築していきます。データに基づいて予測や業務の識別ができるので、学習を繰り返していくうちに判断軸を持ち、画像解析や言語処理といった能力が高まるのです。

③求められる開発能力の違い

RPAであればプログラムを書かなくても簡単にロボットを作ることができるので、特別な知識を必要としません。というのも、RPAには既に定型業務を自動化する機能が組み込まれており、定型業務であればそれらを組み合わせるだけでロボットの構築が可能なのです。

AIは業務の内容を学習する必要があるので、取り扱いにはそれなりの能力が求められます。機械学習やディープラーニングに関する知識はもちろん、PythonなどのAI開発に適したプログラミング言語の利用や数学的知識が問われることもあり、ある程度プログラミング言語を理解している方でないと扱うのは難しいと言えます。

RPAとAIの連携方法とコミュニケーションの変化

このようにRPAも決して万能ではありません。ただAIを組み合わせることで、RPAも適用範囲を拡大できるケースも数多くあります。

その一例として挙げられるのが、前述したAI-OCRやAIによる音声認識との組み合わせでしょう。

手書きで書かれた申込書の内容を人間が読み取ってシステムに登録している場合、RPAとAI-OCRを組み合わせれば手書き文字をテキスト化し、その内容をRPAでシステムに登録するといった作業を自動化することが可能です。

またコンタクトセンターであれば、AIによる音声認識で通話内容をテキスト化し、そこからさらにAIを使って必要な項目を抽出した上で、RPAを使って後続処理を自動化するといったことが考えられます。

さらにAIによる音声認識とRPAを組み合わせて、定型の応対業務を自動化するといったことも考えられるでしょう。具体的には、商品の注文受け付け業務において、顧客の注文内容を音声認識で認識し、その結果を元にした在庫の確保や注文内容の記録をRPAで自動化するといった形です。

ここで示したのは一例で、AIとRPAを組み合わせればコンタクトセンターのさまざまな業務を効率化することが可能です。それによって生じた余剰リソースを人間が行うべき業務に集中すれば、単なる人手不足への対応だけでなく、顧客満足度の向上やコンタクトセンターの高度化にも有効ではないでしょうか。

なお、RPAを使って業務を効率化するためには、ITに関する専門的な知識やRPAで作業を自動化するためのノウハウが欠かせません。このため自社だけですべて対応しようと考えるのではなく、RPAを活用した業務効率化に実績のあるパートナーを選定し、連携して進めるべきでしょう。

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